謹賀新年
~10年の振り返りと2025年問題~ 特定医療法人共和会 理事長 山本 直彦
新年、明けましておめでとうございます。2015年4月に理事長に就任し、今年3月でちょうど10年が経ちます。この10年を振り返ると、先ず第1に、共和会60周年記念事業として新病棟が完成されたことであります。就任当初からボトムアップ型の運営を心がけていましたので職員参加型の建築委員会を設置して、現場の声を聞き取りながら将来の病院のあり方を議論し、国の改定に適応できるようにフレキシブルな設計の下、関係者の皆さんのお陰で5年後の2020年に完成と相成りました。この間、建築費の関係から規模を縮小する案もありましたが、2020年に予定されていた東京オリンピック開催後に起きる建築資材や人件費の高騰が予想されたため、計画通り進めていきました。昨今では異常なまでの建築費の高騰により病院の増改築がままならない状況を考えると予定通り進めて良かったと思っています。また、病院前に広く駐車場が出来た事で巡回バスの乗り入れが可能となりました。
第2に、国の方針として精神科病院の病床削減が叫ばれる中で、当初から精神科領域における地域包括システムの構築が必須と考え、その手始めとして精神科訪問看護ステーションの開設を推し進めました。現在は5事業所にまで展開し、地域医療に大きな貢献をしてくれています。
第3は、何と言っても新型コロナウイルスの到来でした。図らずも院長を兼任していましたので、感染拡大防止としての病棟閉鎖と病院経営との狭間で苦慮し、流行当初、入院患者さんの中でコロナの感染の疑いがみられた時は眠れない夜を明かした事を今でも忘れられません。一方で、感染蔓延時、身を挺して感染者のケアにあたり、感染対策に奮闘してくれた職員には心より敬意と感謝を致したいと思います。
さて、問題は今後の10年ですが、昨年は診療報酬、介護報酬などの改定がなされ、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年問題に向けた地域医療構想や医療計画とともに、働き方改革や人材不足が重なり、特に民間医療機関においては経営の危機とまで言われています。今後、さらに高齢化と人口減少が進み、2040年には65歳以上の人口が全体の約35%になると推計されており、雇用対策として最近では定年制を廃止したり、働ける高齢者を新規に採用する会社も増えてきています。今後はICTの活用やDXを屈指しながら、高齢化や人口減少に対する柔軟な雇用対策と既成概念にとらわれない医療経営が今後に課せられた重要な課題と思われます。引き続き、皆様方のご支援を賜りますようよろしくお願いします。
『 優しい医療・楽しい職場 』
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