病院広報誌 WA! 第84号 2020.10.26 | 広報誌WA!

災害を乗り越えて

共和病院 看護部 次長 安藤 三津子

令和2年4月より看護次長に就任しました安藤三津子です。平素より看護提供にご理解とご支援をいただき感謝申し上げます。看護部の理念「優しさの提供」「楽しさの構築」「質の保証」を念頭に日々看護にあたらせていただいております。9月1日は「防災の日」です。

日本は外国に比べて台風、大雨、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火など自然災害が発生しやすい国土です。今年はコロナ禍で大規模な防災訓練が実施できない自治体は多いかと思いますが、ご家庭で災害の備えはできていますでしょうか?阪神淡路大震災から25年、東日本大震災から9年を迎えました。そしてちょうど20年前の9月11日に発生した東海豪雨は大府市に甚大な被害をもたらしました。本州付近に停滞していた秋雨前線に台風14号の温かく湿った気流が流れ込んだため前線の活動が活発となり、愛知県を中心に記録的な豪雨となりました。河川の氾濫により市内各所で甚大な浸水被害に見舞われました。当院も浸水被害があったと伺っております。

50年に1度といわれた豪雨被害でしたが、今や全国各地で大雨による浸水や土砂災害が起こっています。私は東日本大震災時に愛知県看護協会災害支援ナースとして宮城県気仙沼の避難所に行きました。被災者の方々は昼間に自宅の片付けにいきます。夜間には避難所へ帰宅をされますが、粉じんによる咽頭痛や目の痛みを訴える方が大勢いました。また、自宅が流され何もかもなくなってしまったと不安を訴える方もいました。だれもが先が見えず不安な日々を送っていました。

その中でも印象的だったのは現地の保健師さんが夜間にご自身の友人とまだ連絡がとれないと関係者に打ち明けていたことです。私たちには保健師として毅然と振る舞っていましたが、実は大切な友人と未だに連絡が取れず不安な日々を過ごされていたのです。医療従事者でありながら被災者でもあることを改めて感じる場面でした。私は災害支援ナースを経験したことで医療従事者として自分が今、何をしなければならないかを考えるきっかけとなりました。

そして共和会は防火防災委員会を発足し5年目を迎え、春季及び秋季に防災訓練を実施しております。皆様が安全に療養生活を送っていただけるよう訓練を重ねております。また防災を一人でも多くの職員に知ってもらえるよう研修会を実施しております。私は災害が起こるたびに、神様が「命の尊さ」を教えてくれているのではないかと思います。私たちは互いに手を取り合い繋がることで、何度も大きな災害を乗り越えてきました。お互いを思いやる心こそ災害を乗り越えられる力になります。日頃から「感謝」の気持ちで減災に繋げていきましょう。

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